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ベガルタニュース
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長い笛が鳴るとマルコスさんは膝を叩いて
 長い笛が鳴るとマルコスさんは膝を叩いて悔しさを露わにした。唇を噛みしめる。仲間に握手を求められるとやっと表情を崩した。勝ちたかった。その想いが全身から溢れていた。シルビーニョさんからのクロスを胸トラップ、そのまま右足でゴールに叩き込んだ。レジェンドマッチではサポーターの声に応える2ゴールの活躍だった。4−4と互いに譲らぬ真剣勝負で迎えた試合終盤。決勝ゴールは、ユヴェントスの助っ人プレーヤー(?)通訳の矢野大輔さんのダイビングヘッドだった。まさかの展開!しかし、ザックJAPANで活躍した矢野さんのナイスゴールにスタジアム中が惜しみない声援を送った。

「私にとってもこの試合は夢でした」。試合中、インタビューに答えたマルコスさん。仙台のサポーターとは相思相愛の関係だ。仙台駅に着くと約150人のサポーターが迎えてくれた。スタジアムでは大勢のサポーターが自分のユニフォームを着て、懐かしいチャントを歌ってくれた。「ベガルタに帰ってきて皆さんに会えたことが本当に嬉しい。仙台の後もいくつかのチームでプレーしたけれど、ベガルタは自分にとって特別な響きがある」。仙台サポーターはどんな時も声援を送ってくれた。思い出す数々の名場面、中でも「アウェイで鹿島アントラーズに2−0で勝ったこと。キャリアの中で最も心に残る試合です」と胸に温める思い出を語った。


 仙台サポーターは2日連続で同じリズムのダンスに酔いしれた。土曜日は「梁ダンス」、そして日曜日は懐かしの「シルビーニョダンス」だ。チームの中心として愛される選手に贈られるサポーターからの応援歌は時を超えて二人の背中を支え続けている。この歌を引き継いだ梁勇基選手はシルビーニョさん本人にこんな風に声をかけられたそうだ。「もうすっかりお前の歌になったな」。

 新人の頃にプロとしての姿を見せてくれたシルビーニョさんは梁選手にとっても憧れの存在だった。「人としてもプレーヤーとしても素晴らしい」見習うところはたくさんあった。「厳しく、優しくいろんなことを言ってくれた。学ぶべきものが多かったですね」。先輩に、自らの歌に恥じない戦いをしようと今尚走り続ける梁選手。一方、シルビーニョさんも現役時代をほうふつとさせる献身的な走りでOBチームを支えた。試合後、最後までスタジアムに残っていたシルビーニョさん。手にはたくさんのプレゼントを抱えていた。少し進んでもあちこちから声をかけられすぐに引き戻される。仙台サポーターはどうしてもシルビーニョさんを帰したくないようだった。スタンドからは「また帰っておいで!」と温かい声援が飛んでいた。


 ベガルタ仙台OB勝利!とはならなかったが、試合後、仙台サポーターは祝勝歌「AURA」を歌った。このチームが杜の都に産声を上げてから20年、それは紆余曲折の20年だ。たくさんの涙も苦労もあった。これから何度でも勝利の歌が歌えるように。こうして戻ってきたOBたちの歩む道にたくさんの幸せが訪れるように。そんな願いの歌だったのではないか。

 この曲につられてロッカールームからピッチに戻ってきた選手がひとり。ミスターベガルタ・千葉直樹さんだ。現役時代と同じように、最後まで聞いてサポーターに拍手した。今も心に響く大切な歌。「これだけはちゃんと聞いてやらないとね」いたずらっ子のように笑った。     
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